涙のアト
 
 
 
付き合い初めの寛人は、それはもう私には勿体ないくらいの、完璧な彼氏だった。
 
 
 
…私だって恋愛経験が乏しい訳じゃない。
 
 
 
それなりに幸せな経験も、辛い経験もしてきた。
 
 
 
でも別れはいつも決まって相手の浮気。
 
 
 
理由は私に『飽きた』から。
 
 
 
そして私の中では恒例と化してしまった、最後の制裁『平手打ち』;
 
 
 
寛人はそんな私の『昔』まで受け止めてくれた、唯一の男だった、のに…
 
 
 
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