ココロノカケラ

久しぶり。

平静だったはずの、

気持ちの表面に、

ピキピキと亀裂が入る。

出ないでおこうか。

思った。

けど、幼馴染の久しぶりの

電話を無視するのもおかしい。

出た。


『キリカ。元気だったか』


疑問形じゃなくて、確信形だ。

あたしは、

返事を忘れて笑ってしまった。

そして、


『会いたい』


そのストレートさに、

ソウマがいない生き方を

試みていた自分が、

あーあ。

見事に崩壊した。

誰だっけ?

いなくても平気だって思ったの。




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