ココロノカケラ

と、肩にかけた荷物を

あたしに見せた。

重そう。

ソウマはニッコリする。


「参考書とオレの荷物。

今日から住み込みで勉強教える。

キリカの母上には了解済みだ」

なんて、母だ。


「ほら、早速教えるから」


手をつかまれて、

ソウマに連れられて、

家に入る。


と、靴を脱ぐなり、

手をぱっと離した。


「キリカに触れるな。

って言われてるんだった」


ニッコリと、ソウマは笑った。


「だから安心して勉強しようね」


ええと。


これって、喜んでいいんだろうか。

複雑な気持ちでいると、

「触るって、

手で触れることだよな?」

急に難解な顔をしてつぶやくと、



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