ココロノカケラ
「れ?あたし、嫌われてなかったんだ」

「あのね?」

あたしは怪訝に眉を吊り上げた。

「どうしよう、オレ、こんな鈍いやつ、

人生で初めてだ。…あのね?」

あたしはハッと思いだした。

「そうだった、保健室!!」

ソウマの腕をつかんで歩かせる。

「そうやって、無視するんだ。

わかった。あんたのほうが、

オレのこと嫌いなんだ」

あたしは、あまり背の変わらない、

ソウマの顔を睨んだ。

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