ココロノカケラ

「変にもったいぶって期待を持たされるよりはいいのかも…って、思えるか」

ソウマに額を、指ではじかれた。

「痛った~ひどい!!!」

「ひどいのはあんただ」

真顔で怒ると、

その表情が疲れるのか、

あきらめたように力なく笑った。

「興味無いのに、助けてくれて、ありがとう」

「え…と」

「興味無いのに、迷惑掛けて、悪かったね」

「だから…」

「あ、何か、体から血の気が失せていく」

見ると、

ソウマの手は、血をしたたらせたままで。

「わっ」





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