ココロノカケラ
あたしは慌てて、傷口を抑えた。

それから床の血を拭いて、

「とにかく、行こう」

「うん」

「あのさ、あたし、ソウマにというより、

誰か好きとか、そういう感じが、まだ、分からないんだ。

ごめんね」

ソウマは黙ってる。

あたしはまた、ソウマにヒドいことを言ってしまってるのかも。

キリカは口をつぐんだ。
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