ココロノカケラ

「ああ、ごめん」


姉ちゃんはあたしから離れると、

紅茶を一気に飲んだ。


「じゃ、あたし出かけるから」


あたしとソウマは言葉もなく

姉ちゃんを見守った。


「…そういえば姉ちゃんてこんなだったわ。

唐突で、飽きっぽくて」


「変わらないでしょ?

オレ、さすがにあれが幼馴染だったら、逃げ回るかも」


逃げ回る。

あたしと同じこと考えているのが

おかしくて、あたしは密かに笑った。

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