ココロノカケラ
知恵熱

冷却



月曜日、教室に入ると、

ハルちゃんが走りよってきた。


「ソウマ君とデート、どうだった?」  


「だから、遊びに行っただけだから」


「行ったんだ」


あたしはハルちゃんを置き去りに、

自分の席に座った。


「楽しかった?」


「うん」


 二人ともお金がないので、

涼しい図書館のビデオコーナーで

映画のDVDを見た。


明るい図書館で、隣の反応がわかるので、

いちいち面白かった。

わりとソウマは怖がりだ。

怖いシーンになると、

あたしにべったりくっついてきた。

無意識に。

だから、本人も気づいてないと思う。

それからソウマが希望して、

パフェを食べに行った。


あたしは苦手なので、

手を出さなかったけれど、

ソウマは幸せそうに食べていた。


「何、楽しそうな顔してるの?」


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