ココロノカケラ
姉ちゃんは、チラリと
あたしを見た。
「ソウマ、
大事な人間を失くすのが、
極端に怖い子なのよ」
姉ちゃんの口調は
さっきまでと変わらない。
「『キリカになにかあったら
どうしよう』
とか思ったら、
抑制効かないんだわ。
怖くて仕方ないんでしょうね。
それくらいあの子の中の
傷は深くて、暗くて、
手がつけられない。
あんなのに、付き合ってやろうと
思ったら、相当覚悟がいるわよ。
だから、キリカちゃん、
無理してソウマのこと、
相手にしてやらなくて
いいからね」