恋し金魚
てるんだろう



また泣きそうになったとき




「お前、誰?」




後ろで声がした。



びっくりして振り返るとそこには男の子がいた。






―幸―




花火が逃げ出した少し後のこと―。





僕は頭をかかえていた。



どうしてはなびちゃんは泣いてたんだ?


僕なんかしたか?



だっていっつも笑ってたし…




「わかんね―…」




はなびちゃんの泣き顔初めて見たな…





「幸ー!残りの花火やろー!」



隣に住んでるケンタが花火を持って走ってきた。



「わり。今はいいや…」



「えぇー!やろーよ!」



「今はちょっと…」



「ちぇ―。つまんねーの!」



「ケンタはさ…もし急に女の子に泣かれたらどうする?」




「は?」


ケンタはキョトンとして見ている。



何聞いてんだ 僕は。



「ん~?わかんないよぉ。」



「ははっ。だよな…」





「でも…」




「ん?」




「あのお姉ちゃん、幸のこと好きだったんじゃないかな?」










「え?」





「だってお姉ちゃん、ずっと幸のこと見てたもん。」





はなびちゃんが


僕を?



え… だってなんで!?



まだ会ったばっかりだし…



「えっ…だって えぇ!?」



「何、そんなに驚いてんの?」
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