恋し金魚
『おばさん、急にごめんね。どうしても言いたくてこの手紙を書きました。
あのね、どこの誰かもわからない私をむかい入れてくれて本当にうれしかったよ。

最初は不安だったんだ。
私なんにも分からなかったから…

でも、おばさんが優しく教えてくれたからいっぱい楽しく過ごせたんだよ。
本当にありがとう』








はなびちゃん…




『幸くんへ』



『さっきはごめんね。急に逃げ出したりして…
私ね、幸くんのこと前から知ってたんだ。

4年前の夏祭りから、ずっと。

幸くん、私知らなかったんだ。幸くんのお父さんやお母さんのこと。
あのときどう言ったらいいのか分からなかったけど、今言うね。


幸くんは 悪くないよ。

お父さんは幸くんのこと大切に思ってたんだよ。

だから、自分を責めないで。
幸せになってね。


それでは お元気で。

さようなら』













『花火より』









花火……!







僕は走った。



雨が涙のように落ちてくる中を。
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