恋し金魚
第六章 紫陽花
―花火―
「お前、誰?」
びっくりした…
だって急に…
男の子は10歳くらいで私を見下ろしている。
「あ…あなたこそ…誰?」
今は朝。
街は相変わらず静かだった。
こんな時間に…どうしてここに?
すると
「グゥ~……」
ん?
今の お腹の音?
「べっ別に!お腹すいてるわけじゃねーぞ!」
男の子は顔を真っ赤にしている。
「…どうしよ。私お金持ってないし…あれ?」
手がポケットに触れると何かにあたった。
「ようかんだ…」
この前おばさんにもらったミニようかん…
「食べる?」
こくん と男の子は頷いた。
「名前、なんていうの?」
「たくみ…」
「私は花火!」
少し沈黙が続いた。
「たくみくんは…どうしてここに?」
「………」
「あ…言いたくなければ言わなくていいよ?」
「……家出。」
「家出?」
「…母さんが、タロウにばっかり優しくするから…」
「タロウって?」
「僕の弟。今1才なんだ。
「お前、誰?」
びっくりした…
だって急に…
男の子は10歳くらいで私を見下ろしている。
「あ…あなたこそ…誰?」
今は朝。
街は相変わらず静かだった。
こんな時間に…どうしてここに?
すると
「グゥ~……」
ん?
今の お腹の音?
「べっ別に!お腹すいてるわけじゃねーぞ!」
男の子は顔を真っ赤にしている。
「…どうしよ。私お金持ってないし…あれ?」
手がポケットに触れると何かにあたった。
「ようかんだ…」
この前おばさんにもらったミニようかん…
「食べる?」
こくん と男の子は頷いた。
「名前、なんていうの?」
「たくみ…」
「私は花火!」
少し沈黙が続いた。
「たくみくんは…どうしてここに?」
「………」
「あ…言いたくなければ言わなくていいよ?」
「……家出。」
「家出?」
「…母さんが、タロウにばっかり優しくするから…」
「タロウって?」
「僕の弟。今1才なんだ。