恋し金魚
第三章 夏の霧
「おばちゃん、今麦茶とお菓子持ってきてくれるって。」


「はいっ。」


「さっき夕御飯作ってたみたいだから食べてったら?」


「はいっっ。」



「…敬語とか使わなくていいよ?」


「はいっ!……あ。」


「…はなびちゃんは僕と同い年?僕は高2だけど。」


高2って高校ってことだよね…


「わ、わたしもそのくらい!」


「そっかぁー!でもさっきなんであんなとこにいたの?」


「えっ…えっとー、ちょっと気分転換だよ!」


「気分転換!?雨の中で!?」


「う… えぇとー…。」


「はいはい♪麦茶と水ようかんよー。」


ちょうどおばさんが割って入ってきた。


あ…危なかった。


私はためいきをついた。


「ん!この水ようかんうまい!」


「でしょ?おいしいとこのなんだから!」


私は水ようかんに興味を持ち、口に運んだ。


ぱくっ



「お…おいしい!」


「おいしい?よかったぁ。…はなびちゃん今日泊まっていったら?夕御飯も食べてくんだし。」


「ぇ…いいんですか?」


「いいのよ!はなびちゃんが泊まってくれたらうれしいわ。」



「…ありがとうございます。」


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