恋し金魚
第四章 線香花火
「さびしくないよ。今は結構充実してるし。」


「…わ、わたしは幸くんの親友だから!」


「へ?」


「わたし、幸くんが一人になってもずっと一緒にいるから!」


「…うん。ありがと。」


幸くんは照れながら無邪気に笑った。




シャコ シャコ…


「はなびちゃーん!もう歯磨き終わった?ちょっといい?」


私は現実に戻る。


「は、はい!」



「今から花火買いにいこうかと思ってたんだけど、はなびちゃんも行く?」


「行きます!」





外に出ると暑さが一気に押し寄せた。


「あっつーい…。」


昨日の雨が嘘のように空は青々としている。

「すぐ近くのコンビニだから。」


…コンビニ?


コンビニという店に入ると急に涼しくなった。


「あった!あった!どれがいい?」


いくつもの種類のある花火セットが並べられていた。


「す、すごーーい!こんなにあるの?」


「そうよー♪今日ね、地区の子供会で花火大会するの。幸ちゃんも誘ったからはなびちゃんもする?」


「したいです!」


「じゃあねぇ、打ち上げ花火なんかいいわよね!」

「はい!!」


コンビニを出るころには両手いっぱいの花火を抱えていた。


花火楽しみだなー♪


鼻唄を歌いながらアパートに戻った。
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