ライバルは天才不良少年
「見られてたんだ。」
「たまたまだよ。ダメだからね、ため息は!」
はいはい、なんて言って笑い合ってたら、ガラッとドアが開いた。
あ、加納(カノウ)先生だ。
このクラスの担任になったんだ。
皆が出席番号順に席に着く。
私は10番なので、窓側から二列目の一番後ろの席。
「今年一年間、この三年A組を担任することになった加納です。よろしくお願いします。」
加納先生は生徒会の顧問でもあるから、私はすでに知っている先生。
良い先生なんだけど、ちょっと気が弱いんだよね。
「では、これからオリエンテーションを始めます。」
まったくっ!
アイツは入学式だけじゃなく、オリエンテーションもサボる気かっ!
これが終わったらまた探さなきゃ。
手間かけさせやがって!