ライバルは天才不良少年
一章〈波乱万丈の新学期〉

入学式





校庭の桜が満開を過ぎ、少し散り始めた四月の頭。


高嶺(コウリョウ)高校の体育館では、入学式が行われていた。



「・・・・・・ということで、今日から皆さんはこの高嶺高校の一員となった訳です。伝統あるこの学校に恥じぬ様に、学生生活を送ってください。」



校長が話し終わり、壇上から降りていく。


まだ初老を過ぎたぐらいだろう。

校長としては若い方だ。



「次は、生徒会長からの挨拶です。」



司会進行の先生の声が聞こえたと同時に、舞台脇の椅子に座っていた一人の女子生徒が立ち上がり、壇上に上っていった。


容姿端麗な顔立ちに、腰まで届くサラサラな黒髪。

背丈は平均より少し高め。


その彼女がペコリと一礼する。



「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。私達、在校生一同は皆さんを心より歓迎します。」





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