ライバルは天才不良少年




生徒会長が挨拶をしている最中、

新入生の列の後ろの方で二人の男子生徒が小声で話を始めた。



「あれが生徒会長の神楽凛(カグラリン)さんかぁ。」

「凄い美人だよな。」

「あぁ。」



周りに迷惑そうな目を向けられるが、気にせずに続けている。



「神楽先輩といえば校内はもちろん、校外でも有名な人だしな。」

「容姿端麗、頭脳明晰、さらに運動神経抜群!完璧な人だし、みんなの憧れの対象になるのもわかるよなぁ。」



ウンウンと頷き合う二人。

その途中で片方の男子生徒が何かを思い出した様にポンッと手を打った。



「そういえば、憧れの対象といえば藤崎遙貴(フジサキハルキ)さんもそうだよな。」

「あぁ、確かに!眉目秀麗で神楽先輩以上の学力!この学校では珍しいタイプではあるけど、それがまたカッコいいんだよなぁ。」



段々大きくなっていく二人の声。

耐えかねた周りの人が、「シーッ!」と二人を黙らせたことは言うまでも無い。







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