ライバルは天才不良少年
日曜日
日曜日。
私達は高嶺高校から歩いて10分ぐらいの所にある東条高校に来た。
おぉ、やってるやってる。
そこでは、うちのサッカー部と東条高校のサッカー部が準備運動を始めていた。
「んん~。あっ、いたっ!」
グラウンドでランニングをしてる佐伯くんを見つけて嬉しそうにしてる椎夏を見ると、こっちまで嬉しくなっちゃう。
椎夏の恋、精一杯応援するからね。
瑠璃の手を取り一緒に飛び跳ねてる椎夏。
なんとなく校舎の方に目をやると、
「あっ・・・・・・。」
「凛ちゃん、どうかした?」
見なかったことにしたくて瑠璃の方に顔を戻し、
「ううん、なんでも」
『ない。』そう言おうとした私の言葉は椎夏によってかき消された。