ライバルは天才不良少年
まださっきの佐伯くんのシュートを思い返してはボーッとしている椎夏に近寄り、
「椎夏。私達、先に帰るね。」
「ん~。・・・・・・って、えっ!?」
最初、軽く流したね。
「え、な、なんで!?」
そんなに顔を赤くして慌ててるって事は、理由分かってるんじゃん。
「なんでって、ねぇ?」
「せっかくだし、二人っきりの方が良いかな、って。」
瑠璃の言葉に更に顔を赤くする。
顔、林檎みたいだよ?
「って事で、また明日ね~。あっ、佐伯くんにお疲れ様って伝えといて。」
「また明日。」
「ほら、アンタも行くよ。」
ニコッと笑いかけて手を振り、アイツにも声をかけると
椎夏に『じゃ。』とだけ言って付いて来た。