ライバルは天才不良少年
帰り道。
アイツは喋っている私達の後ろを無言で付いて来ている。
別に付いて来なくてもいいのに。
「私こっちだから、此処で。」
瑠璃がそう言ったのは、閑静な住宅街の十字路。
真っ直ぐ進もうとした私に右を差しながら言った。
「もう遅いし、家まで送ろっか?」
「ううん、近いから大丈夫だよ。」
『ありがと。また明日ね。』と言って歩き出した瑠璃を少しの間眺め、歩き出そうとしたとき、
「じゃあ俺らも帰るか。」
そうだった・・・・・・。
コイツがいたんだったよ。
って言うか、なんか一緒に帰ることが決まってるかのような言い方だよね?
「私、アンタと一緒に帰るつもり無いんだけど?」