ライバルは天才不良少年
帰り道---side 遙貴---
「ほら、アンタも行くよ。」
夾也に無理矢理連れて来られたサッカー部の試合。
終わって夾也達が着替えているとき、さも当たり前のように言われた一言。
言外に『二人の邪魔するな。』そう言われてる気がした。
まぁ、もとから邪魔する気なんてねぇけど。
西本に声をかけ、二人の後を追った。
帰ってる最中、『どうして付いて来るの?』とでも言いたげな表情を見せてるけど、
いくら春とは言え、まだ夕方は暗い。
女二人だけで歩かせられるかよ。
「私こっちだから、此処で。」
「もう遅いし、家まで送ろっか?」
いや、それ女が言う台詞じゃねぇだろ。
むしろ言われる方だって。
確かにコイツは大谷と比べれば強いとは思うけど・・・・・・。
「ううん、近いから大丈夫だよ。」
『また明日ね。』と言って家に向かう大谷を少しの間見送った後、
「じゃあ俺らも帰るか。」