空の姫と海の王子


「──ん……っ」


体が重い

ちょうど肺のあたりが圧迫されて
上手く呼吸するのが難しいからなのか
酸素が足りてない気がする

頭がぼんやりする


そんな事を思いながら
ゆっくり目を開けた


視界に入ったのは真っ白な天井
どこかの部屋なのだろうか

上体を起こそうとするが
やはり体が重く上手く動かない


いや、違う

何かが乗っている?


バッと勢いよく体を起こすと
乗っかっていた何かがベッドから落ちた

それと同時に聞こえた
ゴンッと鈍い音

うわ、痛そ


「いッ……!」


やはり痛いらしい

頭を押さえながら
必死に痛みを堪えている


「……大丈「大丈夫な訳ないじゃんッ!馬ッ鹿じゃないのッ!?いきなり起きるなんてマジ有り得ない!ちゃんと周り確認しろッつーのッ!!」


周りを確認する為に起きたんだけど
と言う心の声は言わない事にした

何か言ってもまた遮られて
ぎゃんぎゃん怒鳴られそうだし


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