空の姫と海の王子


「普通の高校生か……。まあ、¨学園¨に入ってなかったって事は、その程度の能力しか持ってないって事でしょ?」


ほんと、よく生きてたね
と女は呆れたように溜め息をついたが

溜め息をつきたいのはこっちだ
2日間世話になったみたいだけど
訳のわからない事を色々言われて
体はダルいし、眠いし


俺はベッドから立ち上がった
今度はふらつかなかった


「世話になった。じゃ、俺は帰るから」

「ちょッ!?」


女が何かいいかけたけど
俺は構わずに部屋を出ていった

が、何故か玄関にあるはずの俺の靴がない


「待ちなよ!一人で外出るなんて危ないじゃん!」

「俺の靴知らね?」

「知らねーよッ!!つか、あんた靴なんて履いてなかったじゃん!」

「これ、借りるな」

「話を聞けぇぇええッ!!」


シューズケースからサンダルを出して
かなり小さいのが不満だけど
文句は言わずにそれを履いた

後ろで女がぎゃんぎゃん騒いでたけど
俺は構わず外に出た


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