空の姫と海の王子


「ねえ蘭!」

「なに玲!」


なに?と聞き返したが
蘭には玲が何を考えているかが
なんとなく、分かっていた

多分自分と同じ事を
考えているのだから


¨色¨は持っているのに
¨能力¨を持たない人間

そんな人間見たこともないし
聞いたこともない

自分達を睨み付ける紅い瞳は
真っ直ぐで、澄んでいて

強い意思がその奥に見えていた


「あいつが¨SUN¨だと思う?」

「まさかっ!有り得ないでしょ!」



クソジジイこと
執事チャーミーから逃げながら
玲と蘭はニヤリと笑った


「蘭、あいつさっ」

「仲間にしちゃおうかっ」


能力のない人間を仲間にしても
たいした戦力にならないだろう

だが、あいつには可能性がある
自分達と同じくらい強くなる可能性が


「そうと決まったら知らせなきゃね!」

「¨EARTH¨のみんなに!」


玲と蘭は急停止すると振り返り
チャーリーに向かって叫んだ


「「チャーリー¨free Style¨に行くよ!」」


出来れば早い方がいい

もう、時間はないのだから


空から降り注ぐ白い雪を眺め
玲と蘭は静かに頷きあった


_
< 120 / 339 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop