空の姫と海の王子
「ねえ蘭!」
「なに玲!」
なに?と聞き返したが
蘭には玲が何を考えているかが
なんとなく、分かっていた
多分自分と同じ事を
考えているのだから
¨色¨は持っているのに
¨能力¨を持たない人間
そんな人間見たこともないし
聞いたこともない
自分達を睨み付ける紅い瞳は
真っ直ぐで、澄んでいて
強い意思がその奥に見えていた
「あいつが¨SUN¨だと思う?」
「まさかっ!有り得ないでしょ!」
クソジジイこと
執事チャーミーから逃げながら
玲と蘭はニヤリと笑った
「蘭、あいつさっ」
「仲間にしちゃおうかっ」
能力のない人間を仲間にしても
たいした戦力にならないだろう
だが、あいつには可能性がある
自分達と同じくらい強くなる可能性が
「そうと決まったら知らせなきゃね!」
「¨EARTH¨のみんなに!」
玲と蘭は急停止すると振り返り
チャーリーに向かって叫んだ
「「チャーリー¨free Style¨に行くよ!」」
出来れば早い方がいい
もう、時間はないのだから
空から降り注ぐ白い雪を眺め
玲と蘭は静かに頷きあった
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