空の姫と海の王子
──¨幸せ¨
その言葉がすでに幸せ
毎日が楽しくって幸せ
「んふふふ〜」
ピンクと白で統一された部屋で
ハルはキングサイズのベッドに寝ころび
幸せそうにクッションに顔をうずめる
「んふふふ〜」
幸せオーラ全開のハルだったが
ふと顔を上げると大きな窓の外を見た
バルコニーには誰もいない
「リール、そこ開いてるよ〜」
ハルが窓の外に向かって言うと
窓が開いてリールが姿を現した
漆黒の羽根と腰まである黒髪
そして、光り輝く黄金の瞳
4ヶ月前の事件の犯人だが
実は操られていた事が判明
ハルに救われた命は春の為に使うと
本来いる筈の天界には戻らず
現在はハルの影として動いている
リールはそのままソファーに座ると
大きな溜め息をついてハルを見た
『ごめんハル、紅茶くれない?』
「はいはーい」
二人は決して主従関係ではなく
仲のよい友達としての関係
もちろんこれはハルの意思
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