空の姫と海の王子


「ところで……奈々は能力が殆ど無いようですが、今までは学園にいたのですか?」

「いいえ、色はあるけど能力は殆ど無いもの。学園に見つかる事も無く平凡に生きていた普通の高校三年生よ」


なんて、嘘に決まってるでしょ


心の中で謝りながらも
淡々と嘘をつく奈々の言葉に
優は成る程、と頷いた


「だから¨SUN¨に捕まる事も無かったんですね。分かりました、奈々は明日にでも学園に送りましょう」

「ええ、……………は?」


奈々は思わず聞き返した


冗談じゃないわ!!

あんな所に送られたら
なんの情報も得られないし
みんなを探す事も出来ないじゃない!


「えっと……どうしてもそこに行かないと駄目かしら?」

「ええ、街は危険です。学園でしたら強力な結界が張ってあるので安全ですよ?」


奈々は焦った

さっきまでの冷静さは
何処かへ逃げ出したらしい

どうしようかと悩んでいると
黙っていた由紀が口を開いた


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