空の姫と海の王子


「奈々には私達と一緒に動いてもらおうよ」

「由紀……何を言っているんですか。危険過ぎます」


優が顔をしかめると
由紀は小さく微笑んだ

その笑みはまるで天使


「なんとなく」


ああ………由紀

あなた、もっとまともな理由を
思い付かなかったのかしら?

あなたに期待した私が馬鹿だったわ


シクシクと心の中で涙を流す奈々を横目に
優は眉間に手を当てて深い溜め息をついた


「……分かりました」


由紀、あなた天才だわ


優の一言で奈々は由紀の評価を
最悪から天才まで一気に上げ
由紀に向かって心の中で親指を立てた

クスクス笑う由紀と
表面上微笑む奈々に対して
優はただし、と付け加えた


「本来なら能力の使えない者を戦いには巻き込みたくはありません。勿論由紀と私で守りますが奈々の能力の覚醒も急ぎます、いいですね」

「勿論大丈夫よ、ありがとう」

「はあ……今回は特別です。もうこれからは能力が使えない者は学園に送りますからね」


¨SUN¨を相手にしながら
何人も守り切れる自信はありません

優がそう言ったすぐ後だった

勢いよく入口のドアが開き
カランカランと、ベルが鳴り響いたのは


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