空の姫と海の王子
◆第一章
◇a happy days
どこまでも続く花畑には
色とりどりの花が咲き乱れ
永遠に花を咲かせる
立派な桜も立っている
そして、その奥には
輝くような純白の城があった
ここは楽園
神々の住む世界だ
穏やかな時間が流れる空間は
今日も平和でし「いやあああ!!」
……訂正します
さっきまで、平和でした
肩まであるココア色の髪に白い肌
150cmと小さな身長に
可愛らしい顔立ちの少女は
全速力で花畑を駆け抜けている
少女の澄んだ空色の瞳には
うっすらと涙が浮かんでいて
後ろを振り返り、黒い影を見つけては
叫びながら更にスピードを上げていく
「いやあぁぁ!!ごめんなさいぃぃぃ!!もうしないから追い掛けないでぇぇぇ!!」
少女の走るスピードは
音速を通り越して光速に近い
それにも関わらず
少女を追い掛ける黒い影は
徐々に距離を詰めていく
「¨もうしない¨は何百回目ですか!もう聞き飽きました!!追い掛けてほしくないのなら止まりなさい!!」
「いやあぁぁ!怖いよおぉぉっ!!」
「待ちなさい!!」
黒い影が叫ぶと遠くから
助けてぇぇ!と少女の叫び
今日も¨いつも通り¨平和です
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