空の姫と海の王子


「──で、ここが食堂。24時間年中無休で和洋中の料理が食べられるから人気なんだ。で、その隣が」

「ちょ、ちょっと待って!」

「共同の浴場になってて男は21時から23時までで、24まではお楽しみの混浴タイム。それ以外の時間は女の子はいつでも入って大丈夫。で、この下の階は」

「ちょ、葵ってばっ!!」


すたすたと前を歩く葵の服を
なんとか掴んだ春の息は荒くて
足を止めた葵は振り返って首を傾げた


「どうしたの、疲れた?まだ半分も案内してないけど」

「えええっ!まだ半分なのっ!?だってここ地下34階だよ!!」

「SUNの本拠地は地上2階地下70階なんだから仕方無いだろ、ほら、行くよ」


34階分の階段を下って疲れないなんて
葵はどんな鍛え方をしてるのっ!?

………って、あれ?

春ってこんなに体力無かったっけ?


両手をジッと見つめてみるけど
何も変わったことはない
春の体はいつもと同じ体だ


だけど、何か違う
それが何かはわかんないけど


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