空の姫と海の王子
しばらくの甘い時間
しかし、それを邪魔するように
部屋の扉が開き、彼が入ってきた
「カイト!ハルちゃん知ら……」
「あ……レン。おはよー……ございます」
「空気読め。さっさと出てけ」
布団から気まずそうに顔を出すハルと
いまだにハルを抱き締めるカイト
レンは唖然として固まった後
拳を握り締めてカイトに笑顔で言った
「朝から盛ってないでさっさと起きなよ。ぶっ飛ばすよ?」
「彼女いないからって僻むなよ。その内起きるから、出てけ」
「はあ?……ってカイトとやり合ってる場合じゃないんだよ」
真剣な表情になったレンに
ハルとカイトも少し真剣になる
沈黙の後、レンは言った
「ユラから連絡が入ったんだ……¨全員見つかった¨って。今、雷神と風神は屋敷にいる。魔神様達は、もうすぐユラと一緒に到着する」
「本当っ!?じゃあ今日みんな人間界に降りるの?」
「……いや。その必要はないんだ」
「どういうことだ」
王、または神を継ぐ者は
人間界に降りて様々な事を
経験し、学ばなければいけない
初代が定めたそれは絶対の筈
「僕も信じられないんだけど……見つかった神々は全員完全に覚醒してる。……あの日と同じ姿で発見されたんだよ」
その言葉にハルとカイトは息を呑んだ
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