空の姫と海の王子


カイトは起き上がると
置いてあった服に袖を通し
何故か近くに置いてあった
女物の服を春に向かって投げた


「行くぞ」

「うん……」


ハルは服をギュッと掴んだ


死んだと思っていた者が
4ヶ月後に生き返った

新生児としてでなく
そのままの姿で

サラとウタ、そして魔神様

また会いたいと思っていた
守れなかったことを謝りたかった


「ハル、大丈夫か?」

「あ…ごめん!」

「全然いいよ〜」

「ハルはてめえになんか言ってねえよハゲ」


不機嫌そうに言ったカイトが
着替えたハルの腕を掴むと
レンは目の前の空間を繋ぎ
溶けるように現れた扉を開けた


扉の向こうにある真実

それを確かめる為に

三人は一歩、踏み出した


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