空の姫と海の王子


そう言って扉を閉めた蓮は
すぐにしゃがみ込んで自分の体を抱き締めた


抱き締めたい抱き締めたい抱き締めたい抱き締めたい抱き締めたい抱き締めたい抱き締めたい抱き締めたい抱き締めたい抱き締めたい抱き締めたい

ぎゅーーーっと抱き締めたい!!!


「……変態」


扉の前で待っていた奈央がボソッと呟くと
蓮はハッとして立ち上がった


「変態?あの可愛さの極みを目の前にして必死で堪えた僕に対しての第一声が変態?ほんと、その性格残念極まりないね」

「はあ!?あんたに「煩い。黙って」


奈央の口を手で塞いだまま
葵はエレベーターに急いだ


「え、ああそう。吐きそう?急いでトイレにいかなきゃね」

「~~っ!~~~!!」


エレベーターに乗り込むとすぐに
奈央の口から手を離してハンカチで拭いた
アルコール消毒をして、また拭いた

エレベーターの扉が閉まって
動き出したのを確認すると
奈央は蓮に殺気を放った


「ふざけんなお前!なんて性格してんだよ!」

「君よりは数倍ましな性格だと思うけど。それより罪悪感が……あーあ、春ちゃん泣いてるよねー……ほんと最低だ……」

「今頃気づいたか」

「黙って」


最下層の数階上で止まったエレベーター
二人が降りるとエレベーターはまた上に昇る

最下層と同じように真っ直ぐ続く廊下を歩き
その先にある扉に手をかけた


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