空の姫と海の王子


まあ、それは

あたしも一緒だけど。


「葵は必要としてるのは”空の能力“だけ。精神面ボロボロですぐに逃げ出すのと、命令に従順で有能なのだったらどっちが使いやすい?って話」

「ようするに身代わり?」

「そー。でもそんなの春ちゃんに言ったら優しい春ちゃんはとんでもない行動に出ちゃうから、記憶無くした振りして、冷たくして……あんな酷いこと………を」


口元を押さえてうるうる泣いてる蓮は
とりあえず、放置。

葵ってゆーのがSUNのトップ

そいつが空を必要としてるのは多分
EARTHと同じ理由のはず

つまり、どうしようもない事をやろうとしてると。


「……ねえ蓮」

「……ぐすっ、春ちゃ「まだ泣いてたのかよ!!うっぜえ!黙れ!」

「僕は君と違って繊細なんだよ。で?」


服の袖で涙を拭きながら蓮は
立ち上がった奈央を見上げた


「あたしもSUNに入る!」


自信たっぷりに言い放った奈央に
蓮はすぐに首を横に振った


「は?なんで!あたし強いし、あんたと一緒にここ潜り込んでこの戦争を終わらせてやるの!!大丈夫!自分の身は余裕で守れるし!」

「……そーゆーことじゃなくて、」


蓮はにっこりと笑顔で言い放す


「あんた煩いから邪魔」


奈央のこめかみに青い線が入った


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