空の姫と海の王子


──屋敷で一番広い部屋

長い机に向かって座るのは
九人の神々と三人の魔神達

空いている席はあと三つ


黒い髪に茶色の瞳の男──地神ソウは
閉じていた目を開いて正面の襖を見た

他の神々もそれに習うと
ちょうど、襖が開いて
待っていた者達が入ってきた


「サラっ!ウタっ!」


襖のすぐ近くに座っていたのは
ふわふわな金髪のボブヘアに
金色の瞳の女性──雷神サラと
金色の髪に緑色の瞳の男──風神ウタ

二人の姿を見つけて
ぶわっと涙を溢れさせたハルに
サラはすぐさま抱き付いた


『ハルっ!!ごめんね、寂しかったよね?変態野郎どもに変なことされてないかっ?』

「サラ〜っ会いたかったよ〜っ!」

『うぅっ……私もだあ〜っ!』


つられて泣き出したサラは
ハルの後ろに立つ変態野郎ども
(カイトとレン)と目が合うと
ふふん、と勝ち誇った笑みを浮かべた


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