空の姫と海の王子
「……うぜえ」
「あはっ、僕もそれ思ったー。久しぶりに気があったね」
「嬉しくねえ」
サラと睨み合うカイトとは違い
レンはすでに別の方を向いていた
サラサラの金髪に漆黒の瞳
20代後半くらいに見える男は
レンと目が合うと柔らかな笑みを浮かべた
『久しいなレン。変わっていないな』
「魔神様も相変わらずキモいねー」
『なっ!?完璧な我のどこがキモい!』
「全部だよ全部ー」
ヘラヘラ笑うレンと
ショックを受ける魔神様
だけどそれは表面上だけ
本当の親子よりも
強い絆で結ばれている二人は
会いたくて堪らなかった
少し前の¨蓮¨なら
涙を流して抱き付くところ
だけど今は違う
我がいない内に成長したのだな
嬉しいと思うが……
少し寂しい気もするな
レノンが小さく笑うと
レンも照れくさそうに笑った
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