空の姫と海の王子


「……うぜえ」

「あはっ、僕もそれ思ったー。久しぶりに気があったね」

「嬉しくねえ」


サラと睨み合うカイトとは違い
レンはすでに別の方を向いていた

サラサラの金髪に漆黒の瞳
20代後半くらいに見える男は
レンと目が合うと柔らかな笑みを浮かべた


『久しいなレン。変わっていないな』

「魔神様も相変わらずキモいねー」

『なっ!?完璧な我のどこがキモい!』

「全部だよ全部ー」


ヘラヘラ笑うレンと
ショックを受ける魔神様

だけどそれは表面上だけ

本当の親子よりも
強い絆で結ばれている二人は
会いたくて堪らなかった

少し前の¨蓮¨なら
涙を流して抱き付くところ

だけど今は違う


我がいない内に成長したのだな
嬉しいと思うが……
少し寂しい気もするな


レノンが小さく笑うと
レンも照れくさそうに笑った


_
< 27 / 339 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop