空の姫と海の王子
やっとサラから解放されたハルと
カイトとレンが空いている席に座る
緊張感が漂うなか
ソウが威厳のある声で話した
『では聞く。お前達は今までどこにいた?何故転生していない?』
『……私達は死んだ後、前と同じように門を通る筈だった。しかし、止められてしまった』
『止められた?誰にだ』
ソウが眉間にシワを寄せると
サラとウタは顔を見合わせ
小さな溜め息をついてウタが言った
『守り人だよ。それで僕らは扉の前に留まってたんだ』
『我ら三人も同じ』
三魔神の一人、長男のカノンが言い
二人の魔神も頷いて同意を表した
相変わらず眉間にシワを寄せる
ソウと同じく、他の神々も
今の話を聞いて顔色を変えた
不安と疑問が入り混じった表情に
カイトとレンもゴクリと息を呑んだ
シンと静まった部屋に
明るく呑気な声が響いた
「でもさっみんな生きてるんでしょ?オバケじゃないんでしょっ?」
「ハル?」
「じゃあいいじゃんっ!……難しい話はいいよ。みんな生きてるならそれでいいじゃんっ!」
ねっ?と笑ったハルの笑顔が
重苦しい空気をガラリと変えた
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