空の姫と海の王子


人間界にいる友人を思い
ナナはギュッと唇を噛んだ


神々や王族は三つある世界を
自由に行き来出来る訳ではない


今まであった空間の歪みは
ハルとカイトとレンによって直されたから
世界を移動する為には
自分で空間を繋げるしかないが


「あれは疲れるのよね……」


神々でさえ力のほとんどを使わないと
空間を繋げる事は不可能に近い

軽々とそれをやってのけるレンは
王族の力と才能のおかげだが


「レンは今魔界にいるから連絡とれないし……」

『人間界に行くの?』

「もちろん。仲間の危機ですもの」

『そう……。じゃあ残った方法はひとつだけだね』


ミウの言葉にナナは頷いた


空と海の扉を開いてもらって
そこから行くしかないわ


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