空の姫と海の王子
『やはりな。あの事をお前達に話したら、すぐにでも人間界に行こうとする。だからあの場では話さなかったのだ』
いつの間に石化が解けたサラは
えっへん!と胸を張っているが
『とりあえず、神のみんなは私が何とかするから。ナナ達は大臣と王達に見つからないように気をつけて行って』
「ごめんねミウ。みんなの無事が確認できたらすぐに戻るから」
『大丈夫。気にしないで』
ナナとミウは話を終わらせ
和やかに微笑み合っていた
もはや、サラは空気のような
存在感の薄さに成り下がっている
『は……はるぅ……』
こんな時にハルがいたら
優しく慰めてくれるのに
だけどハルは今……
俺様美形冷酷王子の所に……
『うわーんっ!!私の可愛い春があーっ!!春ーっ!私は寂しいよー!』
「……ミウお願い」
『……《闇界(ヤカイ)》』
ミウが小さく呟くと
サラの周りを闇が覆い
それが半球のドーム状になると
雑音(サラの泣き声)は消えた
中にいるサラは
そんな仕打ちに更に泣き喚くが
もちろん外には聞こえない
なんだか疲れた二人は
明日の計画を一通り立てると
大きな欠伸をして眠りについた
『……ぐすん。はるぅー……』
サラを闇界の中に放置したまま
_