空の姫と海の王子


「あの……ありがとっ」

「え?」

「あなたがもう怖くないようにしてくれたんでしょ?ハルだって空だもんっ、そのくらいわかるよっ。……だから、ありがとって……その……」


ハルは照れくさいのか
少し頬を染めながら笑った

少年はそんなハルを見て小さく笑う


どうしてこの少女は
こんなにも純粋で白いんだろう

闇を知らない訳では無い
十分過ぎる程知っているはず
実際、一度闇に染まったのに

なのに、どうして

……ああ、そっか


「真実を知らないから……か」

「え?何か言った?」

「……いや、何でもないよ。それよりさ、プレゼントは気に入ってくれたかい?」


少年の言葉にハルは首を傾げた

そういえば昨日の夢で
プレゼントをくれると言ってたが
サラ達が帰って来たりと忙しくて
そんな物を確認する暇は無かった


「久しぶりに会えて嬉しかっただろ?」

「……何でその事を知ってるの?」

「だって俺が贈ったんだよ。知ってるに決まってる」

「え……じゃああなたは……」


ハルは少年を見て目を見開いた
やっと気付いたのか。と
心の中で笑いながら少年は微笑む


「あなたが守り人なの?」

「…………」


真剣な表情のハルの言葉に
少年は困ったような表情を浮かべた


え、違うんだけど


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