空の姫と海の王子
「──だいじーんっ!!ナナ知らねごふうぅぅっっっ!?」
勢い良く扉を開いたリクの顔面に
バゴンッと普通では
有り得ない音を発した紙が
勢い良く投げつけられて
リクはそのまま倒れ込んだ
「知りません。煩いです。目障りです。消えて下さい」
苛々しながら眼鏡を上げて
冷酷な言葉を言い放った大臣は
何事も無かったかのように
また書類に目を通していき
テキパキと仕事を片づけていく
地面に転がるゴミは当然放置
「ちょっと待ったああ!!ゴミって何!?俺ってば一応神様なんすけどってうおぉぉいっ!!」
また騒ぎ出したゴミ(リク)の
顔の横の壁にシュッと突き刺さった
万年筆を見つめてゴミ(リク)は
冷や汗と涙を流して怯えた
もちろん、投げたのは
黒いオーラ全開の大臣様々
「次はありません。心臓を狙います」
「ごめんなさいぃぃい!!何でも無かったです!ナナなんて自分で探します!お仕事邪魔してごめんなさいぃぃい!!」
「分かればいいんです。じゃあ早く出て行って下さい」
大臣がそう言い終わる前に
ゴミ(リク)は部屋から出て行き
バタンと煩い音を立てて扉が閉まった
ゴミ(リクの行動には
何の関心も無い大臣は
また仕事に戻るのでした
一方、扉の向こうでは
ゴミ(リク)が気持ち悪いくらい
大袈裟に落ち込んでいた
見ているだけで
その場にいるだけで
周りをネガティブにさせる
ゴミ(リク)の特殊能り「いい加減に¨ゴミ(リク)¨って言うの止めろ!!俺は神様だから敬えって何回言ったら分かるんだひいぃぃぃい!!」
壁を突き抜けた万年筆を
ギリギリで避けたゴミ(リク)は
恐怖に震えながら廊下を走って行った
「だからその呼び方止めろおぉぉお!!」
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