空の姫と海の王子
「早く開けろって」
「さっさと開けなさいよ」
「「……はあ?」」
だんだんムカついてきた二人
ハルの次に自分が一番偉い
と断言するカイトとナナは
自分の意見は無理やり通す人
ま、ハルの前ではハルが一番ですが
しばらく睨み合った二人は
後ろに跳んで距離をとると
空間から武器を取り出して
お互いに向かって走り出した
「勝負で決めるか」
「上等じゃない」
ハルの扉の前で合わさった
銀色の扇と海色の剣が
キンッと甲高い音を立てると
二人はニヤリと笑った
「「ぶっ飛ばす」」
その言葉と同時に始まった攻防は
速すぎて太刀筋が見えない上に
凄まじい力がぶつかり合って
波動が廊下の壁に傷を作る
力ではカイトに劣る奈々だが
今のナナの扇は攻撃の度に
1トンの重さへ変化する
それを軽々と、舞うように操る
重く、速く、的確なナナの攻撃に
カイトは次第に押されていくが
余裕そうに笑みを浮かべている
ナナは表情を歪めると
両手の扇を前で交差させ
同時にカイトも剣を床に突き刺した
「《二ノ舞・朱雀》」
「来い《氷水晶》」
交差させていた扇を勢い良く開くと
その風が紅い朱雀となって飛び
カイトの剣の刺さった床から出た
氷の刃はナナに向かっていく
ドンッ!!
お互いの業はぶつかり合い
凄まじい力の波動が生まれる
その衝撃に耐えながら
二人は光を失わない業に力を送り続ける
集中する二人
お互いに譲らな「ナナ〜っ!!やっと見つけたマイハニーっ!!」
_