空の姫と海の王子


「ハル、これは魔女の陰謀だ。こんなのに騙されて、俺を信じてくれないのか?」

「まっ魔女の陰謀っ!?」

「だれが魔女ですって?ハル、冗談よ。冗談」

「なんだ〜。冗談なんだ〜」


ナナの言葉は素直に信じたハル

少しナナに嫉妬心を抱きながら
カイトはそのままハルの髪を撫でた


「春がいないって奈々が騒いでたから、心配しただろ。どこ行ってたんだよ」

「えー……と。……夢の国?」

「は?夢の国?」

「そっそう!夢の中で歩いてたら、体も動いててっ!いつの間にか廊下をさまよってた……かな?」


なんで疑問系?
つかキョドりすぎ……


えへへへ。と笑うハルの笑顔は
どこかぎこちなさそうで
視線の先はカイトではなく明後日の方向

そんなハルに疑問を感じたのは
カイトだけじゃなく、ナナもだった


「嘘でしょう」

「のふあっっ!?ハルは……嘘なんかつかないさー……」

「じゃあ俺の目を見てもっかい言えよ」


実は夢の中で知らない男の子に会って
¨空と海の扉¨の鍵取られちゃって
起きたら知らない部屋にいたんだー☆


「……言えるかーっ!!」

「言え」
「言いなさい」

「は……はい」


笑顔なのに怖いのは何故?


カイトとナナの背後に見える
黒いオーラに恐怖を感じながら
ハルは小さな声で話し出した


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