空の姫と海の王子


全てを話し終えた後
二人が息を呑んだのが分かり
ハルは申し訳なさそうに目を伏せた


「……俺の知らない所でそんな奴と会ってた訳?」

「カイト、仕方ないのわ。ハルだっていつの間にかそこに行っちゃったんですもの。だけど、鍵を取られたのはとんでもない事よ」

「ごめんなさい……」

「謝っても鍵は戻ってこねえよ」


カイトは深い溜め息をつき
ナナは何も言わずに黙っている

ハルは泣きそうになるのを堪え
ギュッとスカートを握り締めた


……どうしよう
やっぱり取りに行かなきゃ

だけど、夢は見れなかったし
もうあの人には会えないのかな……

どうしよう

あれは大切な鍵なのに
ハルは空失格だよ……


しばらくの沈黙の後
ナナの溜め息が聞こえて
ハルはビクリと体を震わせた


「……私がハルとカイトを探してたのは、¨空と海の扉¨を開けてほしかったからなの。だけど鍵が無い以上、他の方法を探すしか無いみたいね」

「扉を開けてほしかった?何でだよ」


カイトが聞くとナナは呼吸を整え、言った


「人間界で能力者狩りが行われているの。この意味……分かるわね」


その言葉にカイトは顔を歪め
ハルは目を見開いてナナを見つめた


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