空の姫と海の王子


「嘘……」

「嘘ならいいけど……違うわ。私はサラ達の所に行って他の方法を考えてくるわ」


ナナは部屋を出て行こうと
ドアに手をかけるが、振り向いた


「一応聞いておくわ。二人とも、人間界に行く気はある?」

「当たり前だろ」

「ハルも行くよっ!……心配だもん」


二人の言葉にナナは微笑み
そう言うと思ったわ
と言って部屋を出て行った

パタリと閉まったドアの音が
静かな部屋にやけに響いた


立ったままのカイトは
そのまま床に座り込み
ベッドに座って俯くハルを見上げる

カイトの視線を感じていたが
ハルには顔を上げる勇気が無かった


無言のままの二人

先に口を開いたのはカイトだった


「……わりぃ」

「え……?」

「だから……さっきの言い方、少しキツかったから。ごめん」

「あっ……ううん!悪いのはハルだもん!……ごめんなさい」


ハルがそっと顔を上げると
バツが悪そう目を逸らすカイト

少ししてカイトが視線を戻し
二人の視線がぶつかると
照れたように笑いあった


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