空の姫と海の王子
「あ…レン……」
ヤバいと思ったハルは
カイトから離れようとするが
させない、とカイトによって
更に強く抱き締められた
見せ付けるようにして
勝ち誇った笑みを浮かべるカイト
黒いオーラ全開で
最高の笑みを浮かべる少年──レン
サラサラの金髪に空色の瞳
170cmの細めな体型
格好いいより可愛い系の蓮は
ハルの兄だったりする
しばらくの沈黙の後
口を開いたのはレンだった
「バカイト、汚い手で気安く春ちゃんに触んなって言ってるよね?」
「俺達がラブラブだからって僻んでんなよ。ヘタレン」
ばかカイト=バカイト
へたれレン=ヘタレン
「……意味が分からないわ」
ナナは呆れたように呟くが
二人の喧嘩は見ていて飽きないので
観戦しようと足を崩した
しかし、何か嫌な気配を感じ
そそくさと部屋を出て行った
ナナが感じた気配に気付かないリクは
楽しそうに二人の喧嘩を見ている
「黙れシスコン」
「煩いデレデレ」
「………」
「………」
二人はしばらく睨み合い
そしてニヤリと笑った
「「……ぶっ飛ばす」」
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