空の姫と海の王子
カイトはネックレスについた
海色の小さな鍵を外すと
ハルに向かってふわりと投げた
「馬鹿!大事な鍵にそんな扱いしてんじゃねえよ!」
「うっせえ」
リクが舌打ちすると同時に
ハルは投げられた鍵をキャッチし
自分の鍵と交互に見つめた
空色に淡く光る箱に付いた鍵穴
小さなそこに鍵を差し込んで、回した
カチャリ、と小さな音がして
次の瞬間には濃い蒼と澄んだ青い光が
箱の中から水のように溢れ出した
『……久しぶりに見るね』
『うむ。相変わらずこの光は心地良い』
『私も、この光だけは好きなんだ』
気持ち良さそうに目を閉じて
体に触れる光を感じたミウとサラ
ナナとリクも光に触れてみる
少しの間忘れてた感覚が
走馬灯のように蘇ってきて
二人は思わず笑い合った
見ているだけで心が休まり
触れると思わず笑みがこぼれる
そんな優しい光が部屋を包んだ
部屋に満ちていく光を
見つめていたハルとカイトは
光を追ううちにふと、目が合った
言葉を交わさずに
ただ見つめ合った
今なら、仲直り出来る気がした
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