空の姫と海の王子
カイトとレンは顔を見合わせると
少し目で会話し、頷き合った
「「……あ!!」」
カイトとレンが指差した方は庭
リクと大臣が何だろうと
振り返って見るがないもない
「なんだよ、何もねーじゃ……」
リクが二人に文句を言おうと
部屋の方に振り向くが
そこに二人の姿はなかった
残ったのは
冷や汗をだらだら流すリクと
黒いオーラを倍増させた大臣
一刻も早くこの場から逃げ出そうと
そろりそろりと歩くリクの肩を
大臣はガシッと掴んだ
掴まれた肩がミシミシいっている
「………」
「………どちらへ?」
「……さ…散歩に」
「そうですか……では」
ガタガタ震えるリクに
大臣はニコリと微笑んだ
「地獄までご案内しましょう」
「ひぃ…っ……!!」
その後、屋敷には
悲痛な叫びが響き渡りましたとさ
──一方、隣の部屋にいたナナは
「……煩いわね」
リクの悲鳴に顔をしかめ
お茶を啜りながら
お饅頭を食べていました
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