空の姫と海の王子
一年前
空間に出来た歪みを正す為に
王達はその扉を呼び出した
扉が開いて、そこから溢れた光が
3つの世界を包み込んだ時に
歪みも消え、全ては元に戻った
そして今現在
その扉を呼び出す為に
必要な空の鍵は砕けた
それなのに
空と海の扉は
カイトとハルの前に姿を現した
カイトはその場にいる全員が
息を呑んだのを感じた
有り得ないことだから
その場にいる全員はまだ
この現実を受け入れきれていない
「ちょっとカイト!ハルちゃんと謝ったよ!ぎゅーはっ?ぎゅーっっ!」
「ちょ、待て!落ち着けハル!!」
状況を全く把握していない
ただ一人のお姫様を除いて
「なんでっ?あの言葉は嘘だったって言うの?そう……騙したのね!ちゃんとぎゅーしなさーいっ!」
「ちょ……え、何キャラ?つうか……待て!」
肩をガシッと掴まれて
ぐわんぐわん揺らされたカイトは
ハルのほっぺたを両手で挟んだ
ピタリと止まったハルは
真剣な表情のカイトを見て
むくれたまま仕方なく振り返った
目の前に浮かんでいる
巨大な扉を見つめて
そのまま数秒停止
後、
「だから何なの〜!?カイトはハルよりもこんな扉が好きなのっ?ぎゅーぎゅーぎゅーぎゅー!」
「待てハル!カイトが死ぬ!!」
再びぐわんぐわんと
カイトの体を激しく揺らすハルを
リクは慌てて止めに入った
_