空の姫と海の王子
「──な…なんで扉が?鍵はさっき壊れちゃったのに……」
気付くの遅っ!!
その場にいた全員の意志が
珍しく合致した瞬間だった
リクの下手な説明で理解したハルは
ジッと空と海の扉を見上げている
相変わらず部屋の中心に
浮かんでいる空と海の扉
その扉は固く閉ざされたままで
開く様子は少しも見られない
それはまるで、
何かを待っているかのようで
「ハル」
「……うん」
扉が何を待っているのか
それは神々には分からない
しかし、この二人は違う
世界を支える空と海
その化身でもある二人には
何を待っているのかが分かった
お互いの手を握り締めて
二人はそっと立ち上がった
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