花語り-ハナガタリ-
急いで向かった家の前には、目を赤くした彼女。
その目が赤いのは夕焼けのせいじゃないってわかってる。
だから僕は頭を下げ、両手を差し出した。
次の瞬間。
そっと顔を上げた僕が見たのは、昨日と寸分違わぬ大好きな笑顔。
そして、その手には僕が差し出した庭のスモモが握られていた。
物思いに耽っていた僕を呼び戻す声がする。
大人になった今なら綺麗な本物の花だって買える。
けど、そこにあの笑顔がないのを僕は知っていた。
振り返るなり差し出したスモモを受け取った笑顔は、あの頃と寸分違わぬ……僕の大好きな笑顔のままだから。
その目が赤いのは夕焼けのせいじゃないってわかってる。
だから僕は頭を下げ、両手を差し出した。
次の瞬間。
そっと顔を上げた僕が見たのは、昨日と寸分違わぬ大好きな笑顔。
そして、その手には僕が差し出した庭のスモモが握られていた。
物思いに耽っていた僕を呼び戻す声がする。
大人になった今なら綺麗な本物の花だって買える。
けど、そこにあの笑顔がないのを僕は知っていた。
振り返るなり差し出したスモモを受け取った笑顔は、あの頃と寸分違わぬ……僕の大好きな笑顔のままだから。